杉山登志さん

昨日の夜。
テレビつけたら、昔のCMが流れてた。
トリスのCM・・・ほら、あの四角い!?顔したおじさんのアニメーション。
知ってた?開高健さんとかがこのプロジェクトに関わってたんだって。
あと、クレイジーキャッツの「なんである、愛である」
たった5秒のCMが実用的な黒傘のみの傘業界に、おしゃれ傘を作る流れを作った・・・とか。
あと、「わ、わ、わ~、輪が三つ。みつわ、みつわ、みつわ~石けん」
な、なつかしいぃ~~。

CMが生活を変えた時代。

私の大好きな大好きな役者さんのもあったな。
伴淳三郎のCM。(→「寺内貫太郎一家」の石屋のおじさん!大好き!一番一緒に共演してみたかった人!)

そして・・・最後にCMディレクターの杉山登志さんのCMが流れる

覚えてます?モービル石油の。
「の~~んびり、いこう~よ、俺たちは~」って歌。
私は、今でも、イライラしたり、ガツガツしてる時、ふと、この歌を思い出す。
口ずさんだりもする。
そういう人、多いと思う。

それを作った人。

そして、資生堂のCM・・・
真っ白な帽子をかぶった女の人が・・・草原の中にたっている。その横には、小型の飛行機。

シンプルで、ピュアで、美。

CMを芸術にかえたのはこの、瞬間だろう。

日本人がCMに恋したのは、この、瞬間だろう。

日常に目を向け、その一瞬一瞬を切り取り、
シンプルな絵とシンプルな言葉で、描くことが出来た人。

さっきのCMの冒頭
その帽子の女の人が車の中で、自分の顔を少し、さわる。
そのしぐさは、実は、彼の奥さんが何気なくした一瞬を覚えていて、使ったモノだという。

そして、引く手あまたの売れっ子CMディレクターになったにもかかわらず、彼は自殺してしまう。37歳。

「リッチじゃないのにリッチな世界は分かりません」
「ハッピーじゃないのにハッピーな世界は描けません」
「夢がないのに夢を売ることなどは…とても」
「嘘をついてもばれるものです」

こんな言葉を残して。

リッチすぎるほど、リッチであったにも関わらず
周りの人からは、ハッピーで、沢山の夢を持ち
・・・そして、それを売り、成功した人だと思われていたのに。

検索したら、まず、トップの方に出てきたのは「自殺した有名人」

ジサツシタユウメイジン

なんか、すごく、悲しくなった。

そうじゃない、私が知りたいのは、杉山さんで、

ジサツシタユウメイジンじゃない。

そう、思ったとき
なんとなく、彼が自殺した理由が、少しわかった。

昔、中村雅俊主演でテレビドラマになったそうで、
それはすごくすごく丁寧に描かれていて、彼の人となりがわかったそう。

彼は繊細で、そして、やさしい人で、だからこそ、とても人を見る目があり、人の心を読め、観察出来る人だったそう。

だからこそ、日常の中の、キラキラした部分を切り取ることが出来た。

だけど、そんな人が
どんどん「自分勝手に」生きていく人達の波に耐えられるワケはない。

高度成長・・・その波の中
ひとはどんどん変わっていく・・・。
そして、現在。。。

自分の事ばかり考えて、
名誉ばかり考えて、
夢を見ないで、夢を売るフリをする。

自分さえよければ
人の心がどうなろうとおかまいなし。

誰かを傷つけても
自分さえ、愛されていたらいい。

求める心ばかりが先走る。

そんな人達に巻き込まれ、おかしくならないはずがない。

そこには、彼が切り取れる一瞬なんてない。

でも、誰かいなかったのかな・・・。

彼の作るモノが一瞬一瞬のきらめきなら
彼の命も一瞬一瞬のきらめきだろう。

そのきらめきを受け止めてあげられる、小さな手。

その手さえ、みつけられていたら・・・。

何にしろ。死なないでほしかった。

でも、せめて、残っている私たち。
夢をみて、夢を売ります。

そして、誰かが振り返った時
いつでも、さしのべてあげられるように
「小さな手」を持ちます。

でも、ふと思う。
この間、みた地人会の芝居「島清、世に破れたり」の島田清次郎といい。。。

「時代」に生きた人・・・多いよね。

今は、どうかな。

「時代」
なんて、あるのか。

「時代」がない「時代」に
私たち、生きてる。
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by hagoromo1011 | 2005-10-28 11:21 | なんとなく私
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